スライム

小学生の時、手作りのスライムが流行った。

学校のバザーとか、地域のフリーマーケットなんかにかならずあった。
作り方はよく知らないけれど、デンプンかなにかが使われていて、大抵鮮やかな色の絵の具で着色されている。
それが、今は見なくなったが昔はどの家にも大量にあった、あのプラスチックのフィルムケースに入って1個10円とかで売られてた。

いじったり、テーブルに擦り付けたりして遊ぶんだけど、
まあ手作りだし、デンプンだし、放置しておくと腐るんです。

その腐った時の匂い。つんとするような、すえたような匂い。
あれがなんともいえず臭くて。
だいたいの臭いものは、「うんこみたいな匂い」とか、「シンナーみたいな匂い」とかって形容できると思うんだけど、あれだけは「腐ったスライムの匂い」としか言い表せなくて、この15年くらいぶっと、脳内の「くさいものフォルダ」に独立して置いてあったのです。

あれは時間をおいた精液と同じ匂いだったんだなあ、と今日ゴミを捨てる時に気がついた。
くさいものフォルダ、15年ぶりのアップデート。

もうもどれない。